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「……さて、そろそろスタッフさんも出てきてください。」
「こんなドッキリのためにれむたち集められたの?」
「マネージャーも最近疲れているのかもしれないね、こんな仕事を引き受けるなんて。」
「断れないくらいのお偉いさんとかだったらしんどいよね……マネージャーさんもいろいろ苦しそう。」
「マネさんも大変だねぇ。今日も忙しそうだったし、お休みとってもらうことも考えないとねぇ。」
「時雨たちにこのような仕事を依頼してくるなんてどこのテレビ局でしょうね……。」
「さあね、でもふざけてるよ。ボクたちはそんなに安くはないのに……。」
「はぁーあ、もう帰りましょ。こんなドッキリ、なーんにも面白くないです。」
「そういうときもあるっす。きっとお蔵入りだからファンの反応も見れないっすね。」
「それはちょっと残念かもね〜その分他のお仕事で楽しませないと。」
早速帰ろうとしだすメンバーにぬいぐるみはわたわたと慌てだす。実際はないはずの焦りによる汗の水滴が見えてきそうなほどだった。その声にも焦りの色がにじんでいるのがはっきりとわかった。意味もなくその短い手足をバタバタと動かして、まるで小さな子供のように抵抗の意思を示していた。
〈ちょ、ちょっと待ってくださいよ!みなさんは我が購入した希望の館から出られません!〉
「購入したんだ。」
〈うぐぅ、せめて、せめて一日だけでもいいから泊まっていってくださいよ!〉
「急に偉そうな態度じゃなくなりましたよ。」
〈ふぐぁ……お願いしますぅ……お料理もお布団もお風呂もお手洗いだってありますし、生活するのに不都合はありませんから……〉
「結構ちゃんとした設備があるのですね。」
最終的にぬいぐるみは土下座のような体制になり、エフェドルたちへ懇願してきた。ただぬいぐるみが可哀そうな体制になっているだけだ。そんな体制をするから体はボロボロになるんじゃないかという一言を飲み込んだアイドルはしばし考える。
「この後お仕事あったっけ?」
「いや、今日はドラマ撮影とか言ってごまかしていたこれで終わりのはずだよ。」
「個人の用事がある人も特にいないはずです。」
「ん〜、だったら一泊くらいしてもいいんじゃないかな〜?」
「まあ、一泊なら……」
「あたしらに感謝してくださいね!」
〈ありがとうございます!〉
ぬいぐるみだから表情は全く変わらないが、明るく嬉し気な声になったことに高校生組は苦笑いを浮かべていた。
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晴(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
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