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〈よくいらっしゃいました!〉


 ホールに足を踏み入れた瞬間広がったその声。先程の放送と同じ人物がやっているのは容易く分かった。相変わらずスピーカーから聞こえてくるその声に声を上げたのは彼女たちだった。


「ねえ、いつまで姿を現さない気?それはいくらなんでも卑怯でしょ。ボクたちにこんな首輪までつけてなんのつもり?」

「ドッキリにしてもつまらないですよ!ゆむが全く反応しないのわかってやってるならキャスティングミスですって!」


 いつもは顔を合わせるだけでキャンキャンと言い合いをしているのにも関わらず、今だけは喧嘩をする様子もない。二人とも謎の声への怒りや不満が強いのだろう。いつもこのくらい仲良くしてくれたらいいのに、とこの中のメンバーの数人は思ったことだろう。


〈おっと、それは大変失礼致しました!すぐにお見せします!だから、そんなに怖い顔しないでくださいよぉ!〉


 びえぇ!と本当に泣いているのかわからない声を出している放送主。カチャカチャとスピーカー越しに音が聞こえてくる。すると先程までモニターに映し出されていた白黒の地図は消え、次に映し出されたものを見て誰かが呟いた。


「……くま?」


 モニターに映し出されたのはクマのぬいぐるみ。紫と水色の布に黄色とオレンジのボタンが縫い付けられた目。左耳には白いリボンが巻かれている。それだけなら可愛いぬいぐるみ、というだけで終わっただろう。だがそのぬいぐるみは異質さを放っていた。

 くたびれた生地、ところどころから飛び出ている白綿、色褪せたり薄汚れて灰色になっているその身体を見ると可哀そうと思わずにはいられなかった。


〈ふふんっ!呆気に取られていますね!可愛いでしょうそうでしょう!それでは、早速本日の本題を紹介しましょう!〉


 どぅるるるるるるる〜!と自分の口からドラムロールをならすぬいぐるみ。可愛さにぽかんとしているわけではなく、自分たちを集めたのがこんなぬいぐるみだということに驚いているアイドル。そんな雰囲気も払拭するほどの謎の緊張感が広がり、無意識のうちに拳や衣装の裾を握りしめているメンバーもいた。いつもと変わらず平然とした顔のメンバーもいるその様子はさすがエフェドルといったところだろう。そしてぬいぐるみが両手を広げて声高らかに宣言した。


〈あいどるですげーむ、すたーとです!〉

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(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2024年1月13日 11時

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