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「……あたしは、ゆむに生きてほしいです。」


 自信家で口が達者ななこにしては珍しく、俯いたまま言葉少なに、しかし確かな意思を込めた声でそう言った。最年少、中学一年生と言う立場で命の選択をしなければいけないのだ。静かに言葉を紡いだなこを結夢はただじぃっと見つめていた。

 静寂が室内を支配し、誰かの呼吸音が微かに聞こえる。その静寂を打ち破るかのように、路望の声が響き渡った。


「そうだねェ。結夢の安定感や冷静さは、私らに安心感を与えてくれる。……でも、置かれた状況を考えると恋夢の存在も無視できない。このグループの士気や前向きな姿勢を維持する為には、恋夢の存在も不可欠だ。……誰かが生き残る為に誰かを犠牲にする必要がある、なら。」


 最善策なんて、あのクマが用意してるワケが無いのだ。死の影が迫る中、顔を強張らせるメンバーを置いて、路望は一見して冷静な態度を崩していなかった。しかし、その顔には様々な感情が交錯していることをメンバーは感じていた。冷酷非情な言葉を紡ぐ傍らその声は微かに震えている。一瞬の沈黙の後、再び彼女は口を開いた。


「私は……恋夢に生きてほしい。」


 彼女の声は、通常よりもずっと低く、何時もの何倍も増して響いた。リーダーの言葉は誰よりも影響力を及ぼす。そんな立場で自分の意見を言うだなんて、耐えられない人もいるだろう。だが、結論を出さなければならないのだ。このままでは、二人とも溺死してしまう。そう自分に言い聞かせながら、彼女は向けられている視線から逃げるように目を伏せた。


「……わ、私は、なこと同じです。私は……結夢を、助けたい、です……。」


 声を上げたのは、普段は聞き手に周る事が多く、自分の意見を話す事はやや少ない葵だ。


「……私にとっても、みんなにとっても、姫宮先輩が大切なのは分かるんです。姫宮先輩の明るさも、見てるだけでも前向きになれるポジティブさも、エフェドルにとっては、絶対に欠かせない存在なんだって……。私だって本当は姫宮先輩にも生きてて欲しいですよ……。……けど私は……私は……。

結夢に、親友に生きてて欲しいよぉ……。」


 私情で、ごめんなさい。其の言葉で話を締めると、葵は何時は其の潤んだ目を隠すかの様に伏せた。其の姿は、他のメンバーと同様、彼女が此の自分の意見を口にするのにどれだけ勇気を出したのかを表している様にも見えた。

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(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2024年1月13日 11時

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