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「?」


 なんだか、どことなく変な味がした。だがそれも一瞬で、すぐにカップケーキの素朴な甘さが口いっぱいに広がっていった。もう一度、はむ、と頬張った。だが、なにか食感が可笑しかった。なにか変なものが混じっている。口の中から取り出してみると、それはどうやら紙だった。折りたたまれているため、ゆっくりと広げてみる。そこには


「”当たり”」


 口に出してみたが、なんのことか分からず、結夢はその紙をぐしゃりと小さく丸め、カップケーキの容器と共にゴミ箱にポイと捨てた。










「わ〜!お風呂広いっす!」


 ご飯を食べた後、エフェドルたちは浴場へ来ていた。一気に十人入ったってまだ余裕があるほど広い浴場に興奮しているようだ。ひなたはお風呂に飛び込み、泳ぎ始めた。


「このシャンプー、気になってたけど口コミまだ全然なかったから買わなかったんだよね〜!こんなところで使えるなんてラッキー!」

「しうは一度家で使ったことがありますね。髪の毛がとぅるんとぅるんになったのでお気に入りの一つです。」

「雲雀先輩がそういうなら良いやつですね……使うのがちょっと恐ろしいかも……。」


 エフェドルの顔面偏差値突破組はシャンプーやトリートメントなどの備品で会話が弾んでいる。特に恋夢は人一倍自分の容姿を磨くためのものに目を輝かせているようだ。時雨は全て使用したことがあるらしく、一つずつ製品の説明をし始めた。葵は時雨のお墨付きのシャンプーを見て少し委縮してしまっている。


「ひなたちゃんは流石ですね。クロールであんな広いお風呂を自由自在に動き回りつつ邪魔にならないように配慮しております。」

「ひなたは泳ぎがはやいねぇ。ご飯食べたあとでもあんなに動けるなんて流石だよぉ。」

「それはそうだけど、お風呂で泳ぐのは流石にマナーとしてどうだろうか。まあ、ここには私らしかいないのだから目をつむろうか……。」


 信号機カラーの三人は保護者の立場でひなたへの感想を言っている。今もなお泳ぎ続けているひなたは楽しそうだった。路望は少しうーんと頭を悩ませたが、公共機関でもないということで目をつむった。だが一応外ではやらないようにと少し注意を済ませた。


「……。」

「……。」


 桜餅組の二人は黙ったまま湯舟に使っている。だがその間には距離があり、お風呂だというのにほのぼのとした雰囲気は一切なく、険悪なムードしか流れていない。

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(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2024年1月13日 11時

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