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「美味しそうな匂いがすると思えば……。」


 エフェドルの歌姫椎名(しいな)笑心(にこ)の目の前にあるのは大量の料理。和洋中、どれもがそろい、デザートとしてなのかスイーツ類もそろっている。ただ可笑しいのはその量であった。明らかに十人で食べるとは思えない。大食いが二人いるエフェドルと言えど、いくらなんでもこの量は食べきれないだろう。


「すごい量の食べ物だ……十人で食べる量じゃないだろう。あのクマはマヌケ……いや、随分と太っ腹のようだね。」


 彼女の好きなジャンクフードも山盛りに積んであり、大きなハンバーガーがあった。バンズに挟まれているパティにはなんとも美味しそうな濃厚ソースがてらてらと輝いている。その下にはシャキッシャキのレタスがみずみずしく緑に生きている。チーズはトロ……と今にも雫を垂らしそうなほどとろけている。それらを挟んでいるバンズもふっくらとして、美味しそうなこと。笑心は夕食にハンバーガーを食べる決意をした。










「ひろいね〜。お風呂場なのかな?わざわざいろんなの揃えちゃうなんてテレビ局の人たち、かみさまたちのこと大好きじゃん。」


 結夢は浴場へ来ていた。温泉や銭湯に行ったことがなく、お家のお風呂しか体験したことがないような結夢にとって、家以外のお風呂というのは魅力的なものだった。脱衣所に来るだけこれほどまで楽しめるのは最早天性の才能だろう。


「シャンプーとかのセットもちゃんとしてるね。これ、高い奴じゃないの〜?」


 お風呂場へ足を踏み入れた彼女は色々と見て回る。置いてあるものを始めてみるのか、入れ物のボトルデザインを可愛い、可愛い、と言いながら楽しんでいる。珍しく目を輝かせている姿は年相応の子供のようだった。










「なにこの部屋、寒すぎない……?」


 葵は客間2へと足を運んだ。冬場だというのにクーラーの冷房がガンガンきいている。彼女はそっと自分の腕をさする。上着程度で防げるほどこの部屋は優しくなかった。夏の暑い日につけるなら理解はできるが今は二月だ。これもドッキリの小ネタなのかと思いながら、辺りに視線を向ける。


「でも、家具は多いんだよね……暑がりな人専用、ってことなのかな……。」


 ソファやクローゼット、ドレッサーまで置いてあるその部屋は、寒すぎることを除けば住みたいくらいに設備が整っていた。掃除も行き届いていて、最近も使われていたのだろうかと葵は少し考えたのち、探索を続けた。

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(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2024年1月13日 11時

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